【フィッシング詐欺被害】盗られたAU$215を全額取り返すまでの実体験をすべて公開!

フィッシング詐欺被害 解決方法 オーストラリア

あちゃー!まんまとやられた!

どうも、うみです。

今年は10記事ほど投稿しようと思い、年始早々PCをカタカタさせております。

山ほどある書きたいトピックの中でも、「これだけは先に書いておかねば…!」という内容について。

タイトル通りではございますが、

・2023年9月・オーストラリア滞在中にフィッシング詐欺被害に遭いました!

・完全なるわたしの不注意でAU$215.99(2万円ちょっと)を失いかけました!

・いい勉強代だと思いつつも底辺ワーホリ勢。なかなか諦めきれません。

・いろいろ手を尽くし、なんとか全額返金してもらうことに成功しました!いえーーーい!

というこの件について。

現在オーストラリアで過ごしている方には注意喚起として。同じような被害に遭った方にはすこーしだけ希望をもってもらえるような内容になるかと思います。

フィッシング詐欺とは?

フィッシング詐欺とは、送信者を詐称したメールやSMSを送りつけ、貼り付けたリンクをクリックさせて偽のホームページに誘導することで、クレジットカード番号やアカウント情報(ユーザIDパスワードなど)などの重要な情報を盗み出す詐欺のことです。 フィッシング詐欺とは?

こんな簡単な詐欺に引っかかる人いるの…?

わたしだってそう思ってましたよ!でもまんまと引っかかったんです。

油断大敵。まさに当時のわたしのためにある言葉だと思いました。

詐欺に引っかかった手口から発見まで

きっかけから順を追って説明していきます。

9月6日 1:05偽メール受信

まずSMSでPost Office(を装う何者か)からメールが1通届きました。

深夜1時に。(この時点でちょっと怪しい)

こちらが実際のメール。「住所のラベルに問題があるから情報をアップデートする必要がある」というような内容です。メールを受信したときは寝ていました。

フィッシング詐欺メール

9月6日 7:00偽メールに気が付く

この日のわたしは初めて海外でレンタカーをひとりで借りて、ひとりでケアンズ市街から50Km離れたポートダグラスへ行き、翌日ダイビングをするという大人版初めてのおつかいのような大きな大きな挑戦を控えていました。

あと、そんな挑戦とは別でもうひとつウキウキしていることがありました。

それは、日本から国際郵便で注文していた新しいフリーダイビング用のシュノーケルセットがもうすぐ届く。というもの。日本からオーストラリアへの発送なので、ある程度日数がかかることはわかっていましたが、大体の到着目安がちょうどこの日だったのです。

待ちに待った荷物がはるばる海を渡ってもうすぐ届く。

そして今日はわたしの一世一代の挑戦の日!(大げさだけど本当にそう思っていた)

うみ
うみ
なのに、荷物のラベルに不具合が!?これは旅に出る前にどうにか解決しておかねば!!!!
 

まあ、ここは日本ではなくオーストラリアですし。(何となく輸送とかしっかりしてなさそう)

ラベルがペロっと剥がれることもありましょう。(もう完全に偽メールを信じ切っている)

そして偽メールに載っていたリンクを開くとページもそれっぽい感じ。(追跡番号異常に長いなあとは思ったけど)

9月6日 8:00見事に詐欺に引っかかる

旅行出発前に面倒なことはやっぱり解決しておこう!と

電話番号を入力したり、SMSに届いた認証番号を入力したり

住所を入力したり…。

(へんなのー)と思いつつ新たにラベルを申請するために$2くらい請求されたり(この国では荷物の再申請にお金がかかるのかあ、とかのんきに思いつつ)

こうしてしっかりフィッシング詐欺の餌食となったのでした。

9月6日 13:00不審な履歴を2件発見する

デビットカードを利用した際に届く銀行アプリからの通知がポポンッ!と2通届きました。

うみ
うみ
わたしがオーストラリアで唯一持っていた銀行口座であるNAB(National Australia Bank)は、アプリと連携しており、デビットカードを利用したらすぐに残高に変動があったことをお知らせしてくれるシステムになっていました。

1つ目

2つ目

こうして合計AU$215の不正利用が発覚したのです。

そのころわたしは一世一代の大冒険中。

無事に最初の目的地である動物園に到着しクロコダイルを眺めているところでした。

旅行先でのクロコダイル

デビットカードの利用とアプリの反映にタイムラグが起こることもあるので、

うみ
うみ
昨日買い物したナニカの通知が今来たのかなあ~(いまだにのんき)

と思いながら明細を開いてみると、NSW(ニューサウスウェールズ州)のHornsbyというシドニーから車で40分ほどの郊外の街で2度買い物をしている履歴が出てきたのです。

9月6日 13:40カード、止めないと!

ん?何だか様子がおかしいぞ!?

うみ
うみ
異国の地で詐欺被害はマズイ!一刻も早くカードを止めなくては!汗汗汗

とにかく銀行へ連絡してみよう!と思い NABのヘルプセンターへ電話をかけてみました。

Nabヘルプセンター

もしもの場合のお問い合わせ電話番号はデビットカードの裏面にも記載があります。

NABデビットカード裏面

電話をかけてみよう!と思い立ったのはいいものの、この状況をどうやって英語で伝える…?

伝わるのか不安だし、でもカードは止めたいし…で緊張しながら

・I received two notifications on app that I don't recognize.

(身に覚えのない2件の通知があったの。)

・I think someone used my debit card.

(誰かがわたしのカードを利用したと思う。)

・Because I came to Australia in April and I have been living in Cairns, so I've never gone shopping in NSW.

(4月にオーストラリアに来てからずっとケアンズに住んでいるからニューサウスウェールズ州で買い物したことは一度もないの。)

・I would like to stop my card.
(カード利用を止めたい)

こんな感じの内容を必死に伝えました。

理解のあるオペレーターさんが丁寧に対応してくれて、

・カードの所有者は誰なのか等本人確認

・どの履歴が不正だと思うのか

・デビットカードを誰かに渡したことはあるか

・変なメールを開けた覚えはないか などいくつか質問されました。

↑めちゃくちゃ身に覚えがある…。今朝のPost Officeからのやつや…。

9月6日 14:15カード利用停止処理成功

20分ほどかけて状況説明と本人確認を終えて無事カードの利用停止処理をしてもらいました。

が、停止してもらえたことにホッとしていろいろと聞きそびれてしまったし、そもそも専門用語が理解できなくてオペレーターさんの言っていることは半分以上わかっていなかったと思います。

取引=transaction すらわからんかった…。

オペレーターさんから言われて理解したこと

・今から停止処理をする
・新しいカードは1週間くらいで届くように手配する(カード番号は変わる)
電話を切ったあとに「聞いておけばよかったー」と反省したこと

・新しいカードが届くまでに給料が入金される予定だけどちゃんと振り込んでもらえるのか
・誰かが不正に利用したわたしのお金は戻ってくるのか

ここから先はわたしの感じた疑問点と、不正利用されたお金を取り戻すために行ったことについて紹介していきます!

カード切り替え中のあれこれ

デビットカードを利用停止にしてから封書で新しいカードが届くまでの期間、当然次のカードの番号はわからないし、給料等の振り込みをちゃんとしてもらえるのか不安でした。

給料は滞りなく振り込んでもらえる!

結論から言うと、カード番号が変わっても給料はしっかり振り込んでもらえます。

なぜならカードが新しくなっても振込に必要な

・BSB(支店)

・ACC(口座番号)

・Account Name(口座所有者名)の3点は変わらないからです。

ATMの利用はできないですが、ネット上の入金送金は可能なのでその点は安心ですね。

そもそもBCBとACCしか会社に知らせていなかったので、カードを切り替えたところで給与振り込みに特別関係なかった!一安心!

不正利用されたお金を取り返す!

きっかけは友達の一言でした。

てか、不正に使われたんだし盗られたお金、取り戻せるんじゃない?

うみ
うみ
!!!!確かに!!や、でもできるかねえ

半信半疑ながら、「もしかしたら取り返せるかも…?」という一縷の望みをかけて行動を開始しました。

9月14日警察に相談

うみ
うみ
フィッシング詐欺に遭っちゃったんだけど、盗られたお金は取り戻せるの?

最初は「は?なにこの子」って顔で塩対応されましたが、「とっても困ってるの。なにか方法ない?」としぶとく聞くと、

銀行からなにか調査番号を教えてもらってるんじゃない?電話で言ってなかった?とりあえずこの紙あげるわ。

と。

ああ。カードの利用停止をしたときに調査番号のことを伝えられてたのか。(ぜんぜん理解できてなかった笑)

新たな情報を得られたので警察をあとにし、そのまま銀行の窓口へ向かいました。

9月14日NABの支店で相談

うみ
うみ
フィッシング詐欺に遭っちゃったんだけど、盗られたお金は取り戻せるの?

はい、本日2度目の質問。

本人確認や取引情報などカード利用停止のときの電話対応と同じような質問を受けて同じような過程を経て調査番号なるものを教えてもらえました!(進歩!)

 

NAB対応番号
銀行窓口で教えてもらった調査番号と警察でもらった案内

でもまた今回もわからない単語が多く、根本的な解決には至らず…。

電話・窓口のような口頭でのコミュニケーションでの解決はいまのわたしの英語力では厳しいと判断し、ここからはメールとお客様窓口への文書投稿で攻める方法に切り替えました。

10月11日不正はなかったとの調査報告書が届く

Finacial Crime Operations(金融犯罪対策部署)から一通の封書が届きました。

その内容がこちら。

NABからの調査結果報告
要約
・NAB Visa デビットカードで不正な取引が行われたとの連絡をいただき状況を調査いたしました。
・規約上、カードとPINの保護対策が遵守されない場合、NABは責任を負いません。
提供された証拠に基づくと、取引は不正ではないようです。NABは責任を負いませんので、お客様の請求を進めることはできません。
・質問や詳細についてご相談されたい場合は、カード番号をお伝えの上、1300 622 372 までお電話ください。

問題が満足のいくように解決されていないと思われる場合は、次の連絡先までご連絡ください。

平日の午前 8 時から午後 7 時 (オーストラリア東部標準時) の間に 1800 152 015 に電話し、オプション 2 を押してからオプション 2 を押して結果に関する新しい苦情を申し立てるか、電子メール (feedback@nab.com.au)、または手紙 (NAB Resolve, National Australia Bank, Reply Paid 2870, Melbourne Victoria 8060) でご連絡ください。
うみ
うみ
取引に不正がないだと!!!?!わたしが招いたフィッシング詐欺とはいえ、不正は確実にあったんだよなあ。ここで引き下がるわけには…!

やたら気合が入ってしまったので、このお便りに書いてあったアドレスへもう一度状況の説明と取引の証拠写真や発端となった詐欺メールの写真を含めて送ってみました。

・金融詐欺対策チーム Fraud@nab.com.au  →対応不可

・NABフィードバック feedback@nab.com.au →返信なし

◎クレーム対応チーム complaintsteam@nab.com.au →返信あり・対応あり

それぞれの対応について詳しく見ていきましょう。

金融犯罪対策チームからの返答

メールを送ってから約3時間後に返信が届きましたが、

NABからの返信
NABからの返信

プライバシーに関わる内容のためお答えできません。電話で問い合わせてくださいね!

と。まあそうよね。

NABフィードバックからの返答

ほかの部署に送ったものと同じ内容をフィードバックチーム宛にも送ってみましたが返信はありませんでした。

クレーム対応チームからの返答

NABからの回答
NABからの回答

2023年10月12日

メールを入れた翌朝に「問い合わせいただいた内容について調査をおこないます」という内容のメールが届きました。

10月28日ついに返金!

調査の最終結果となる内容が届きました。

要約
・苦情に関する調査の完了について
・2023年10月12日(木)にご提出いただいた苦情について、調査が完了しました。
・不正取引調査の結果への異議を申し立てと対象となる取引:
 金額:215.99ドル
 店舗:ColesおよびTK Maxx
 対象カード:末尾147で終わるカード

・苦情に対する対応
NABの不正取引調査チームがこの件を調査した結果、取引の承認時に「ワンタイムパスコード(OTP)」が使用されていることが判明しました。そのため、お客様の異議申し立ては承認されませんでした。NAB Fraudチームでは、Visaのチャージバック(取引キャンセル)を通じて返金を行うことができないと判断しました。

・最終決定と対応
調査の結果、お客様が取引を承認されたと判断しました。そのため、NABはこの損失について責任を負うことができません。

しかし、今回に限り、215.99ドルをお客様の口座(末尾588で終わる口座)に善意の一環として返金いたしました。

• この返金は本日処理され、48時間以内に口座へ反映される予定です。

うみ
うみ
???ごめん…ぜんぜんわからん…異議申し立ての承認はできないしこの損失について責任を負わないけど今回に限り返金しました…。どういうこと…?

ワンタイムパスコードを認証して買い物をおこなっているから本来はカード持ち主のわたしが納得して取引を行った(不正はなかった)と判断されるけど、今回は返金してあげるね!今回だけね!ってことなのでしょうか。

なにはともあれ、2023年10月30日

あの日失ったAU$215.99は無事戻ってきたのでした。

NABからの着金
NABからの着金

あとがき

結局不正を完璧に立証できたかというとそうではなく、今回だけ特別ね!というNAB側の計らいによって返金してもらえただけなのかもしれません。ただ、どうしてもブログに書き残しておきたかったのでだいぶ月日は経ってしまいましたが当時の書類やスクリーンショット・やりとりを掘り起こしてまとめてみました。同じような経験をされた方全員に当てはまるわけではないことはご承知おきください。

ただ、今回の経験を通していえるのは、

・SMSのメールは信用しない(当たり前だけど一番大切なことです)

・デビットカードのアプリ通知はONにしておくべき(不正に気が付きやすい)

・疑問はそのままにせずどんな手段を使ってでも納得できるまでぶつけてみる

この3点を教訓として今後は同じ被害に遭わないよう精進していきたいと思います。

最後の最後に。

わたしはNABでしか口座を開設しなかったのでオーストラリアのほかの銀行についてはなにもわからないです。わからないですが、今回のフィッシング詐欺での対応以外にタックスリターンや帰国後の手続きにおいてもとても親切に対応してもらえたNABさんには本当に感謝しています。

届かないとは思いますがここでお礼を言わせてください。ありがとうございました!学生じゃなくても口座の維持費用は永年無料なのでワーホリ勢にはおすすめの銀行だと思います!(軽く宣伝笑)

以上!Umiでした!

2025年もぼちぼち更新していきます!

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