奄美大島で短期移住するために仕事を探してみました
短期移住期間:2022年6月〜9月
鹿児島県にある自然豊かな奄美大島で「マリンアクティビティツアーガイド」の仕事を見つけ、真夏の観光ピークシーズンである7月から8月の丸2ヶ月間働いてきました。
本記事では、
- 奄美大島で仕事を探す方法は?
- ツアーガイドの仕事をゲットした方法は?
- 奄美大島にはどんな仕事がある?
- 移住後にギャップを生まないための3つの心得
などなど、これから移住を検討している方や今の生活を変えたい!そんな方におすすめの奄美大島の魅力と実際に移住してみた実体験についてお伝えしていきます。
●奄美大島とわたし
母親が奄美大島の出身で、幼い頃から年に1•2度訪れていた地でこれまでの来島数は40回以上。ただ、これまでは帰省と観光で数日間の滞在が多かったので今回のような約3ヶ月の滞在と奄美で働くというのは初めての経験です。
移住目線で旅をするアラサー「うみ」のプロフィールはこちら。
奄美大島で仕事を探す方法は?
わたしが今回仕事を得ることができた方法は、
ズバリ「知り合いからの紹介」です。今回は、
- ①島での人脈を活用する
- ②街中の求人募集を利用する
- ③ネットの求職サイト・国の就職支援を利用する
この3つについて説明していきます。
ちなみに現在の鹿児島県の最低賃金は、853円となっています。(令和4年10/6〜)
職探しの方法①:島での人脈を活用する
旅行で来ているうちに知り合いが増えていって自分も住むことにしちゃいました!
移住した方たちに話を聞いてみると、旅行客から移住者になるパターンがとても多いです。とにかく人と人との関わりが強く、顔の広い島民とひとり知り合うとそこからどんどん繋がりが増えていくのは奄美の大きな魅力のひとつ。
移住者を含め島に住む人たちの明るい性格と、いい意味でコミュニティの狭い環境は島での暮らしをより充実させてくれると思います。
これらの写真は海のツアー中に仲良くなった島在住のメンバーと一緒に撮ったものです。全員初めてお会いした方たちでしたが、「素晴らしい景色を共有できた同志」のような結束力が毎回自然と生まれました。
島でのツアー業のことや働いてみた感想、「移住してみてどう?」といったリアルな話を聞くことができたし、「ここ求人募集してたよ!」「○○さんに聞いてみたらいいかも!」といった情報もガンガン入ってきます。
職探しの方法②:街中の求人募集・チラシを利用する
どんな求人があるんだろう?と思い、奄美大島の繁華街「屋仁川通り」と中心部のアーケードをぐるっと巡ってみたところ、アルバイト・パートの求人を中心に15件ほどの募集ポスターを見かけました。
コロナが明けて旅行客も戻ってきた奄美大島はどこも人手を欲しているようです。
時給まで詳しく記載しているポスターは少なかったですが、レジ・カフェ・清掃などの日中のお仕事は概ね時給¥853〜¥900が相場でした。
求人ポスターの職種内訳
- 飲食店スタッフ:2
- 販売・レジスタッフ:3
- 清掃スタッフ:1
- ガイド業:1
- 教育関連:1
●医療関係のスタッフ
正社員での募集が多く、保有資格によりますが飲食・サービス業と比べると高時給の求人が多いです。
求人ポスターの医療系職種内訳
- 看護師・看護助手
- 歯科衛生士・歯科助手
- 薬剤師
ハローワーク名瀬が月に2回発行している「ほっと求人情報あまみ」には、奄美大島の求人としてはかなり高収入といえる月給30万超のお仕事が多数掲載されています。
こちらの冊子は奄美市役所や各町村役場・奄美市市民交流センターといった公共施設だけでなく、ファミリーマート(港町店・朝仁店・龍郷店)ビッグツー奄美といったショップでも配布されています。
その他、自衛官候補生の募集もありました。
●情報ゼロ求人広告の意図は?
街中で見かけた求人張り紙。時給・募集対象年齢など、必要な情報はなにも載っていません。これでは求人広告にならないのでは…。
詳細は直接聞いて〜!
これ、実は島民のコミュニケーション・話のネタを利用しているのだとか。「あそこのお店、そういえば求人募集してるよ!」といった知り合いや身内からの情報目当てのようです。
お店側としても長く働いてもらいたいですし、全く知らない人よりも少しでも知っている人や紹介の力を使って採用したいですもんね!この方法は意外と理にかなっているのかもしれません。
職探しの方法③:ネットの求職サイト・国の就職支援を利用する
奄美大島には、ネットで求人募集をしているサイトがいくつかあります。
●結の島ナース 奄美群島看護師支援プロジェクト
海に魅せられて移住したという看護師の方は実際とても多いです。
わたしはよくマリンアクティビティーツアーに参加するのですが、同船した移住者の方にお話を伺うと、医療従事者・看護師をしていて「結の島ナース」を利用して島に来たという方を何人もお見かけしたことがあります。数ヶ月単位での契約も可能とのことで短期移住の看護師さんが島に増えている理由も納得です。
●ねりやかなや 奄美群島UIターン総合サイト
奄美への移住に必要な情報がまとまった総合サイトです。仕事の情報だけでなく移住体験談なども掲載されています。奄美3世の方がサラリーマンから畜産家、元都内在住サラリーマンがダイビングショップオーナーなど、興味深い移住話も…!
●夏季シーズンならリゾートバイトサイト「ワクトリ」
沖縄・鹿児島の離島住み込み求人を多く掲載するリゾートバイトサイトです。登録すると、担当の方から連絡がきて希望職種や期間などの擦り合わせをして仕事を見つけていきます。
※夏の仕事の場合はゴールデンウィーク〜6月頃に募集が始まることが多いです。オフシーズンは求人掲載が少ない場合があります。
●奄美市の取り組み
奄美市役所内には、移住希望者の就業支援やフリーランスをサポートする商工政策課があり、就業体験や担当者から直接会社や仕事内容を聞くことができる合同説明会「あまみJOBフェア」を行っています。
市としても移住支援や就職支援に力を入れており定期的に更新されているので定期的にチェックしておくことをおすすめします。
就職活動応援(奄美市就業体験支援事業)
奄美市以外に奄美大島には、龍郷町・瀬戸内町・大和村・宇検村があります。各市町村によって窓口や取り組みが異なるので、リンクを参考にしてみてください。
ツアーガイドの仕事をゲットした方法は?
奄美大島に短期移住するにあたって、職探しの方法として取った手段はズバリ
「リアルな情報を仕入れる」 です。
ことの始まりは2022年3月
移住する3ヶ月前・ホエールスイム目的で奄美大島に5日間滞在したときのことでした。
これまで何度か訪れたことのあるBARのマスターとの会話の中で
「毎年奄美にホエールスイムをしに来ている」
「母親のルーツが奄美大島にある」という話をしていて
海も泳ぐのも好きなら夏、奄美に働きに来ちゃえば?ピークシーズンはどこも人手不足だし、うみちゃんに合うと思う!マリンアクティビティをやっている知り合いがいるから募集しているか聞いてみようか?こんな感じのことをやってるよ!
↓
えーいいんですか!?直接お話伺いたいのでお願いします!
こうして就職の糸口を掴んだのでした。
実に軽い。
でもキッカケは正直何でもいいんです。
- 飲食店での会話の中から
- カウンターでたまたま隣にいた地元の方
- 旅行先で参加したツアーのスタッフ
- タクシーの運転手さん
- 宿泊した宿のオーナーさん
現地に住んでいる人と関わる機会はいくらでもあります。
なにげない会話の中からはじまった求人紹介でしたが、実際に夏のスタッフを募集していたようで後日マリンアクティビティをやっているオーナーさんと電話。その後履歴書送付を経て無事採用となりました。
マリンツアーガイド「うみ」の爆誕です!
お仕事内容や給与などの詳細はこちらの記事をご覧ください。
その後はスピーディに事が運び、東京で働いていた仕事を退職して6月から奄美へ移住することにしました。
日にち | 東京での仕事の退職と短期移住の流れ |
2022年3月中旬 | ・ホエールスイムで奄美大島来島 ・仕事についての話をBARで聞く |
3月下旬 | 求人を募集していたオーナーさんから電話を頂く |
4月上旬 | ・採用の連絡を頂く ・勤め先へ退職の相談 |
6月 | ・4年勤めた東京の職場を退職 ・奄美大島へ短期移住開始 |
7月1日 | 奄美大島での勤務開始 |
8月31日 | 2ヶ月の勤務終了 |
9月 | 奄美大島短期移住終了 |
●仕事に繋がる情報をいただいたBARはこちら
お兄さんはサーフィンがきっかけで奄美大島に来た移住組。とても顔の広い方なので、求人に限らず島のおすすめ料理・観光スポット・サーフィンのことなど幅広く教えてもらえると思います。
奄美大島にはどんな仕事がある?
奄美群島UIターン総合サイト「ねりやかなや」が集計した2022年12月〜2023年2月までの業種別求人数を見ると、医療・介護の募集数が他業種を押さえてとても多いことがわかります。
島の方にも話を伺ってみましたが、医療・介護系の仕事は年中人手不足で常に募集している状態なのだとか。
また、奄美大島のピークシーズンである夏休み期間7・8月に向けて飲食店やツアー・観光業が求人を募集する傾向にあります。
移住後にギャップを生まないための3つの心得
人と人との関わりが深い奄美大島。
思っていたイメージと違った…こんなはずじゃなかったのに…
とならないために、移住前に必要不可欠なポイントは以下の3つです。
- 心得①現地調査なくして本当の情報は得られない!
- 心得②島の人との会話から手がかりを掴む!
- 心得③ずっと住もうと思わなくていい
それぞれ説明していきます。
心得①現地調査なくして本当の情報は得られない!
奄美大島に移住してくる人のほとんどが、
「旅行で来て島の魅力に取り憑かれてしまった」
というパターンです。
移住先の候補地として奄美大島を検討している時点で1度は訪れたことがある方が多いとは思いますが、今一度、1泊でも2泊でも移住目線で奄美を訪れてみてください。
きっと今までの観光客としての見え方と違った「自分が住む街」としてのリアリティの増した奄美での生活が見えてくると思います。
心得②島の人との会話から手がかりを掴む!
今回仕事を得ることができたように、飲食店は島の情報の宝庫です。
例えば、これは実際の体験談ですが
まだアマミノクロウサギ見たことないのかあ〜。あ、そういえばあそこの席のお兄さん、よくハブ捕りしてる人だからついて行ったら多分ウサギも見れるよ!
→別の卓だったけど、隣の席と合流する形になり会話が弾む
明日みんなで行くけど一緒にどう?
本当に連れてもらって初めて奄美大島の絶滅危惧種・アマミノクロウサギを見ることができました。しかも、レア種とされる前足の白い通称「白足袋」ちゃん!一発目で見ることができるなんて!!!
ナイトツアーに一緒に行く展開はそうそうないことかもしれませんが、どこにどんなチャンスが転がっているかわかりません。人との関わりは大切にしていきたいものです。
心得③ずっと住もうと思わなくていい
「ずっと住むんだ!」と決めなくていいと思います。気負わず、焦らずが大切です。
- 気に入った島だから住んでみた
- 住んでみてやっぱり違ったらやめよう
これくらいの軽いマインドがうまく移住するコツだと思います。島に移住して来た人たちはこの軽さを持ち合わせている人が多いです。
アラサーでも仕事は見つけられるのか?
見つけられます!
年齢やこれまでの環境よりも
- 奄美大島が好き
- 島で住むことにわくわくできるかどうか
この2つが大事です。
奄美で移住!?しかも好きな海での仕事ができる!?毎日泳げる!最高すぎるじゃん!
わたしの場合、「うみ」という名前そのままですが、
・奄美大島の自然が好き
・泳ぐのも大好き
・ホエールスイムが生き甲斐!
という海が好きなマインドと、現地の方の協力をいただいてマリンツアーガイドという職を手に入れることができました。強いモチベーションがあればあるほど島での仕事も生活も楽しむことができると思います。
あとがき
都会の生活では味わえない豊かな自然と、悩んでいたことも忘れてしまうような素晴らしい景色がここ奄美大島には広がっています。
2021年7月の世界自然遺産登録、2022年8月に芸能人のIMALUさんが東京と奄美の2拠点生活を始めたことを自身のSNSで報告したことでも一層話題になりました。
仕事の見つけ方は知り合いからの紹介・求人情報・タイミングなど様々なパターンがあると思いますが、今回は人の縁とタイミングが見事にマッチしたことで実現した、わたしの短期移住・仕事探し方法を紹介させていただきました。
奄美大島への移住を考えている方は、ぜひ移住目線で島を訪れてみてください。様々なバックグラウンドを持った方の話を聞いてみるのもいいインプットになると思います。
あなたの奄美移住チャレンジと飛躍を陰ながら応援しています!
Umi
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